こんにちは。
最近、少し忙しくなってしまってこちらのブログをさぼっておりました。
何に忙しいかといいますと、ここのブログでも時々話しているEBM情報を得て、私たちはどのように自らの糧とするか?という問題。これについて、大阪の病院薬剤師さんたちと勉強会を開いています。
EBM=Evidence Based Medicine 確証のある医療。というのは決して医者だけのものではありません。私たち薬剤師も、患者さんがよりよい医療を受けることができるために、また医者がよりよい判断を下せるための情報を薬剤師として提供できるために必要だと考えます。
EBMなんて難しい!と言われる方は多いのですが、実はある決まった形でほとんどの論文は記載されていますので、慣れてしまえばどうってことはないのです・・・・が。
この慣れる機会が、普通はほとんどありません。
だって、英語だし、難しそうな言葉いっぱいだし。。。
そうですよね。自らこういった論文を進んで読もう!と独学でなさっている方はすごい!と私も思います。難しいですよ。そのうち「やっぱり私にはできない。。」と考えてしまう方も当然いらっしゃると思います。慣れる前に挫折してしまうわけです。私もそうでした。
ところが最近はインターネット普及により、いろんな情報を得ることができる時代となりました。
EBM情報を得るのは相変わらず英語だし、難しい言葉が多いんですが、これを日本語で訳して解釈してそれをブログに載せておられる先生方も多くみえます。そういったブログを巡回して勉強するというのも「慣れる」には良い手法です。こういった情報を自ら取りに行く手法。これは「プル(pull)型」情報です。相手のところまでいって自分が情報を得るわけです。このプル型の利点は自分の興味のある情報を興味のある深さまで取得できるという点があり、欠点としては、取得できる先は自分で探さなければならない、という点があります。
逆に、Twitter。これはフォローする人だけを決めれば勝手にそのツイート(つぶやき)が送られてくることになっています。これは一種のプッシュ(push)型情報です。この欠点はいらない情報も全部送られてくるのですが、逆に自分は時間をかけなくても勝手に情報が入ってくる利点があります。
このtwitter。うまく使えばEBMに慣れることができます。
海外の多くの論文を提供している雑誌社は、独自のtwitterアカウントを持っています。これをフォローすることで毎週1回は論文の題名をツイートしてくれます。
またここで以前紹介した、南郷先生のサイト。SPELL。彼はいろいろな有名雑誌の論文を140文字でまとめてツイートしてくれています。
http://spell.umin.jp/index.htm
まずはツイッターのようなもので、「慣れる」というのは如何でしょうか。
EBMに触れると、ちょっと違った観点から医療を見ることができてきます。そのうち患者さんからも「あれ、この薬剤師さんちょっと変わってきたぞ。」と思っていただけるかもしれませんね。
4月。
といえば、医療関係者においては診療報酬の改定時期!でしょう。
4月を境に、加算がついたり消えたり、患者さんの会計も変わりますし、覚えることも増えますし、薬剤師にとってもいろいろと考えることの増える頭の痛い時期でもあります。
今回の改定で、保険薬局においては、ハイリスク薬に関する薬学的管理及び指導の充実がうたわれました。具体的には「特定薬剤管理指導加算」という項目が新設され、定められた特に安全管理が必要な薬剤に関しての、服薬指導をきちんと行うことによって、この指導加算の算定ができるというわけです。
指導といっても、薬の効果確認であったり副作用の確認であったり服薬手順であったり注意事項であったり。どちらかといえば大仰に構えるようなものではなく、今までもずっと行ってきた服薬指導を行うことにより加算できるものと考えてもいいと思われます。
この「特定薬剤管理指導加算」には二つの意味があるんじゃないか、と思っています。
一つは、この指導加算は患者さんそれぞれに対しての算定が行われているということです。
保険薬局の加算というのは、施設やそのシステムに対して行われることが多かったのです。例えば情報加算。情報を渡せば加算ができる。という仕組みですね。
しかし今度の指導加算は、患者さんとの対話がメインです。「薬はこうやって効くんですよ。」とか「この薬のこの副作用は問題なさそうですか?」とか「次の受診日は?そこまでの薬ありますか?」とかそういった会話の中にこの指導加算が存在すると思われます。
医薬分業となってから10数年。ただ薬は渡すだけ、だった薬剤師が、普段の患者さんとの会話に積極的になることができるようになった、その歴史でもあります。つまりこの「指導加算」が明記されたことによって「薬剤師の仕事は患者との対話にある」と明記されたわけです。
もう一つ。特定薬剤とは、ある特定の薬剤の名前を指すわけではないということです。
たとえばステロイド。
免疫抑制剤としてのステロイドの使用であれば、「特定薬剤」となりますが、そうでない場合のステロイド薬では「特定薬剤」の加算はできません。シンメトレルでも「抗ウィルス薬」としてのシンメトレルは「特定薬剤」ではありませんが、精神神経用剤としてのシンメトレルの使い方は間違いではありません。常に「特定薬剤加算」として指導しようとすると、その薬剤がどのように使われているかを患者さんに確認しなければなりません。
これはちょっと考えるとすごいことです。
昔は薬剤がどんな目的で処方されているかどうかは、医者に責任があり保険薬局の薬剤師は「知らなくてもいいこと」だったのです。例えば適応外治療としてある薬剤が使用されていたとしても保険薬局では分からないことと、世の中も厚生労働省もしてくれていたわけです。しかし今回の「特定薬剤」に関しては、その使用目的を理解した上で薬剤師は投薬を行わなければならないのです。この規則があることで「薬剤師は薬の使用目的に関して責任をおわなければならない」と明記されたことになります。
以上2点、「薬剤師は患者と対話するべき」「薬剤師は薬の使用目的に責任をおうべし」
どちらも大したことに感じられないかもしれません。これはおそらくどこの保険薬局でも素直に行われている仕事だからです。しかしそれが規則として明記されたということはとても重要なことだと思われませんか?
この1、2月には、医療論文を読むための勉強会、ワークショップが何本か開催され、そのうちのいくつかには参加してきました。
医師も看護師も薬剤師も、他の医療スタッフも一緒に一つの論文を読み、討議する。
日常の場でも、そういった経験はあるのでしょうが、その時にはどうしても目の前の患者さんに関する制約がつきものです。が、ワークショップにはそれがありません。もちろん、この論文が本当に自分の患者さんに適応できるかどうか?は真剣に考えますが、その真剣に考えた結果の答えは、いくらでも討論できるわけです。自分の意見が間違っていると思えば訂正すればいいのですから。こういった場で、自分の意見をまとめることは、実際の現場においても、大変役に立つと思われますよ。
さて、今回のワークショップでは「N95マスクとサージカルマスクは、同じくらいの効果なのか?」という論文に関して議論しました。
論文というのは、実はその吟味する内容によって、数種類に分かれます。
一つは、診断に関する論文。検査の結果を考えます。
もう一つは害や病因に関する論文。コホート研究と呼ばれるものです。
次に、生命予後に関する論文。経済評価に関する論文。
そして、治療に関する論文。そしてそれらをまとめた研究。
特に薬に関して私たちが目にする論文は、治療に関する論文が多いでしょう。その次が、害や病因に関する論文でしょうか。今回のワークショップの論文も、治療に関する論文ということができました。
もしも、医療論文がちゃんと読みたいなあーと思われる方は、まずはこの「治療に関する論文」から読まれることをおすすめします。インターネット上にもこのような論文はたくさんありますし、読み方のルールを示したサイトも最近は増えてきました。
もう一つ、この治療に関する論文を読む、ことを勧める理由があります。
このような論文を読むと、その行われている治療に対してとても詳しく状況が書いてあることが分かると思います。良い論文を読むと、世界の良い医者が、その疾病治療に対して何を行っているか、どのように考えているかが本当によく分かります。
ちなみに、先のマスクに関する論文。マスクの正しい装着方法について詳しく書いてありました。
なかなかこのようなことを聞く機会は、本来少ないのですが、論文をきちんと読むことで、正しい治療に関する情報が自分の中で増えていきます。
最初は時間もかかるし、英語を読むのは面倒くさいし。。。と感じるかもしれません。
実はそのためのワークショップでもあります。一人で勉強しても、すぐあきらめてしまうでしょうが、数人で読み始めると、何とか乗り切ってしまえますし、一緒にやっている仲間の存在も確かめることができるものです。
近くでもしワークショップが開催されることがありましたら、参加してはいかがでしょうか?
そろそろ1月も終わろうとしていますが…
みなさま、年頭に何か「今年はこれをしよう!」というものをたてられたでしょうか?
私は毎年、12月30日ごろから、あれやこれや考えてみます。それを手帳などに書き記すのが楽しみです。
今年の私の目標ですが、一つは「海外に目を向けよう」
インターネットが発達したおかげで、ほぼリアルタイムに海外の情報を入手することができます。年末からアメリカでは、改正健康保険法の上院通過の話で持ちきりでした。この件、薬剤師にとって大変画期的なことに対して、健康保険よりフィーが出るかもしれないという話で、アメリカの薬剤師会や、薬剤師たちがいろいろと意見を述べています。
今までは、こういう情報は新聞や雑誌でないと手に入らなかったのですが、今では、こうやってPCを前にするだけで、情報がはいってきます。こんな世界に住んでいるのですから、もっと世界で行われていること、医療技術、薬剤師の職能について、目にして、できれば討論したいなあ。と考えています。
そのためには……地道な英語の努力が必要かなあ。
もう一つの目標
「薬剤師という職能を、ビジネスとして考えてみよう」
つまりは、薬剤師である自分を、「自分会社」の社長であると考えるんです。
どういうことをしたら、我が社は儲かるのか?我が社に顧客がついてくれるのか?
それには会社の目標が必要でしょう。社の方針も必要でしょう
どんな投資をしたら、その目標をクリアできるのでしょうか?
何年かかるのかなあ。
投資額はどの程度だろう? 本当の金額でなくて時間を考えてもいいかもしれませんね。
さて儲けはどんなもんだろうなあ?
とはいっても、実際に社長さんではありませんので、金額として現れるかどうかは分かりません。
しかし、金額でなく、患者さんの信頼、勤務薬局スタッフの信頼、経験、得られるものはたくさんあります。
また行うことによって、一緒に歩める仲間にめぐり逢うかもしれません。
これを想像すると、結構楽しいんです。
ちなみに、私の今年の予想でいくと、「自分会社」の業績は、伸びる…予定です。そのためには、仲間を増やして、一緒に勉強したり議論したりしないとなりませんけど^^;
テレビなどでニュースをご覧になった方もおられるかと思いますが・・・
12月21日に、「健康と病いの語り」データベースである、DIPEx JAPANのウェブサイトに「乳がんの語り」ページが公開されることとなりました。
http://www.dipex-j.org/
ディペックス・ジャパン(DIPEx-Japan)「健康と病いの語りデータベース」は、特定非営利活動法人 健康と病いの語りディペックス・ジャパン(通称:DIPEx-Japan)によって運営されており、 「健康と病いの語りデータベース」は、英国オックスフォード大学で開発されたDIPEx(Database of Individual Patient Experiences)というデータベースと そのウェブサイト「ヘルストークオンライン」をモデルとし、同大学のDIPEx研究グループが開発した、データ収集・分析・公開の手法を 用いて作られた、日本で唯一のDIPEx公式サイトになります。(以上、DIPExサイトより)
私が、日本版の存在を知ったのは一昨年でした。英国での成果を素晴らしいと思い、また日本でもこのような患者さんの語りを、多くの他の患者さんや私たち医療関係者が聴くことができるという幸せを早く目にしたいと感動した覚えがあります。
それから、約2年。
日本における乳がん患者さんの体験を、本当の言葉で聴くことができる。これは大変画期的なことだと思います。
往々にして、患者さんの意見は客観的でない素人の言葉だ。と流されてしまいがちですが、これらの言葉一つ一つが集まれば、量的な統計結果と劣らないほどの重要で実際的な研究結果を得られることができるのです。DIPExの提供する情報は、私たちが現場の医療関係者に足りないもの、患者さんや家族に必要なものをきっと判明させてくれるでしょう。
英国では2001年よりこのウェブサイトは公開されており、2008年にヘルストークオンラインというウェブサイトにリニューアルされました。
http://www.healthtalkonline.org/
本家DIPExはもっとたくさんの患者さんの語りを聴くことができます。英語に対しての恐れのない方はぜひよまれることをお勧めします。
最近、頼まれて医療系論文のお話をする機会が何度かありました。
ここのブログで書いているようなことで、ほんとにちょこっとしたノウハウでたいした事はお話できません。
それでも例えば論文を読む時に「PECO」
P:どんな患者さんに
E:どんな治療を行ったら
C:他の治療を行うより
O:どのような結果を得られたか?
これをちょっと感じるだけで、論文の構成が分かり、作者の意図も分かるので、しっかりと内容を把握できるようになると思うのです。
で、話が終わって、お茶してるときに・・・・
「やっぱりさすがですよね~。私にはなかなかできません。」
「そうですよね~。」
えっとねー、そりゃあ今聞いてすぐ出来たらすごいですよ。
そんなこと私も、いや誰だって出来ないでしょう。
どうも、薬剤師さんたちとお話をすると、こういう台詞によく当たります。
「私にはとてもできないです。」
「さすがですね。僕ではちょっと・・・・」
ちょっと待ってくださいな。どんな事柄でも、聞いてすぐに出きるようになるわけはないと思いませんか?
例えば医療論文。まずは英語を翻訳したものを読む。次に英語でアブストラクトだけ読んでみる。それから本文にあたる。何が書いてあったのかを把握する。こういった事柄を何度も何度も行う。ひとりよがりになってはいけないから、EBMのワークショップに参加して、自分が間違った読み方をしていないかを確認する。それで始めて知らない論文でもすぐ読めるようになるわけです。
最初の一歩を踏み出す前に、「できない」と言ってしまうのは、最初からやるつもりがないのかな?と思ってしまいます。
まずは、やってみなくちゃ。
何か憧れがあって、それに近づきたいと思ったら、まず口に出してみることだと言われます。
「私はこういうことをやってみるぞ!」
叫んでみる、ことができなければ、文字に書き記してもいいそうです。そうやって自分の憧れを外に出すことで、自分の目標をはっきりすることができると言われています。
できない、と口に出してしまったら、本当に自分の目標が「出来ない」ことに、ネガティブになっちゃいますよ。
来年の自分はどうしているのだろう?と考えることがあったら、一度やってみたいこと、やらなくちゃと思っていることをどこかに書いてみてはいかがでしょうか?
ポジティブな自分を想像してみるだけで、きっと素敵な未来が開けることと思います。
さる11月17日に、アメリカFDA(食品医薬品局)からのアラートが発せられました。
Information for Healthcare Professionals: Update to the labeling of Clopidogrel Bisulfate (marketed as Plavix) to alert healthcare professionals about a drug interaction with omeprazole (marketed as Prilosec and Prilosec OTC)
クロピドグレル(商品名プラビックス)とオメプラゾール(アメリカにはPPIのOTCが発売されているのですね!)の相互作用についての伝達でした。
New data show that when clopidogrel and omeprazole are taken together, the effectiveness of clopidogrel is reduced.
クロピドグレルとオメプラゾールを一緒に服用すると、クロピドグレルの効果が減少する可能性がある。
Omeprazole inhibits the drug metabolizing enzyme (CYP2C19) which is responsible for the conversion of clopidogrel into its active form (active metabolite).
オメプラゾールはCYP2C19を阻害して、クロピドグレルの活性代謝物に影響を及ぼす。そして抗血小板作用も減少することがかかれています。
Separating the dose of clopidogrel and omeprazole in time will not reduce this drug interaction
オメプラゾールとクロピドグレルの服用時間を分けても相互作用への減少はなかった。
Other drugs that should be avoided in combination with clopidogrel because they may have a similar interaction include: esomeprazole (Nexium), cimetidine (which is available by prescription Tagamet and OTC as Tagamet HB), fluconazole (Diflucan), ketoconazole (Nizoral), voriconazole (VFEND), etravirine (Intelence), felbamate (Felbatol), fluoxetine (Prozac, Serafem, Symbyax), fluvoxamine (Luvox), and ticlopidine (Ticlid).
他にもCYP2C19に影響を及ぼす薬剤としてクロピドグレルとの併用を避けた方がよいものとして、シメチジンやフルコナゾール、ケトコナゾール、ブイフェンド、フルボキサミンなどがあげられています。
There is no evidence that other drugs that reduce stomach acid, such as most H2 blockers ranitidine (Zantac), famotidine (Pepcid), nizatidine (Axid), except cimetidine (Tagamet and Tagamet HB - a CYP2C19 inhibitor) or antacids interfere with the anti-clotting activity of clopidogrel. Ranitidine and famotidine are available by prescription and OTC to relieve and prevent heartburn and antacids are available OTC to relieve heartburn.
またPPIでなくシメチジンでもない、H2ブロッカーならば併用ができることも述べられています。
今回のPPIとクロピドグレルの相互作用の話題は実はずいぶん前から伝わってきていました。
CYP2C19という肝臓の代謝酵素が関与していることは間違いないのですが、臨床としては、心血管イベントを検証したものではない、という説もありました。
今回も、このFDAの勧告をうけて、AHA(米国心臓協会)は「今回の勧告は患者対象の臨床試験に基づいていない」という声明を出しています。
CYP2C19での相互作用の効果発現は、どうも遺伝子多形によるところが大きいとの意見もあります。相互作用の出る人と出ないひと、人それぞれ、ということですね。
まだ日本では、何の勧告も出ていません。しかし、アメリカFDAで行われた勧告は1月ほど後には日本でも同じようなアラートが出ることは過去何度もありました。そして、アメリカで勧告が出ているということは、日本人だって、私たちの患者さんにだって無関係ではありません。
もしも、PPIとクロピドグレルを服用している患者さんをみかけたら……どうしますか?
医療論文なんて難しくて、とても読めないよ。読んでいる暇なんかないよ。
こういう言葉をよく聞きます。
うーん。本当は難しくないはずですよね。だって、大学の時に治験とか臨床研究とか、そういったことも一緒に学んできたはずですもの。
研究をする→論文を書く→発表する。わけですから。研究をどのようにするかが分かっていれば、論文はその内容ですから、理解ができるはずですよね。
難しいということは、実は臨床研究って一体どうやって、何をやっているのだろう。一つの薬ができるまでに、どのような研究を行って、どのように考えて研究を行っているのでしょう。習ったけど……という方も多いでしょう。
ひとつ、サイトを紹介します。
ICRWebという、臨床研究に関することを学べるようにしたサイトです。
http://www.icrweb.jp/icr/
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<ICRWebの紹介>
ICRweb は、臨床研究に関する教材や、最新情報、臨床研究を行う際に有益な情報を提供するポータルサイトです。医師やコメディカルスタッフ、臨床試験コーディネーター(CRC)やデータマネージャー(DM)などの臨床研究専門職だけでなく、倫理審査委員会(IRB)委員やIRB事務局スタッフ、企業の方、非専門家を含む臨床研究に携わる人すべてを対象にしています。
ICR−臨床研究入門−(Introduction to Clinical Research)は、2005年、国立がんセンターの有志により、国立がんセンターのスタッフ向け教育コースとして活動を始めました。
その後、2006年度より厚生労働科学研究費補助金「臨床研究基盤整備の均てん化を目指した多目的教育プログラムと普及システムの開発」(主任研究者 山本精一郎)のバックアップを受け、日本全体の臨床研究に関わる方々すべてを対象としたポータルサイトの開発を始めました。
ICRwebは、臨床研究教育プログラムの作成と普及を目的として、インターネットを介した教育プログラムの提供、臨床研究に関する最新情報や臨床研究に役立つ情報の提供、および臨床研究に携わる人々への情報交換の場の提供を目指しています。このポータルサイトが活用されることで、日本で、科学的に妥当で倫理的であり、医学的に意味があるより多くの臨床研究が行われ、治療や予防のエビデンスが構築されるとともに、研究者のネットワーク化により情報共有が進み、ひいては医療の均てん化につながることを願っています。
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このサイトは登録は必要ですが、登録すると内容をみることができます。
基本的に臨床研究に関して、実施する際に必要な最低限の知識を得ることを目的としています。かなりまとまっており、また最後にテストを実地することで、より自分の理解がはっきりするかと思います。
医療論文をよめ、と言われても何だかやってることがピンとこない。とか、もう少し理解できるようになりたい。と思われる方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
かく言う私もテストに挑戦中です。さて、どうかな~。さっき見たことなのに、忘れてなければいいんだけどな。
内輪ネタですが、私の母の話です。
60歳を過ぎたころから、三叉神経痛を患っており、治療のために、「テグレトール」を服用していました。「この薬を飲むと眠い」程度の副作用しか出ず、特に問題はおこっていませんでした。ところが、数年服用していた後、ある日湿疹がでて全身に広がりました。原因が分からず、それで湿疹の治療のために一時入院し、服用のテグレトールを中止したところ、湿疹が徐々にひいてきたのです。
「断定はできないけれども、テグレトールによる薬疹の可能性が高いね。」
皮膚科のドクターはそうおっしゃっていました。
そして、それから数年たった先日。母から電話がありました。
「なんだかね、湿疹がでてきて・・・。神経痛も痛いし、ほんと困っちゃうんだよ。・・・薬変えてもらったのに。」
「神経痛の薬変えたの?何に?」
「・・・・・あんまり痛いからね。先生が「少しから始めましょうか」って「テグレトール」を処方してくれたのよ。」
「おかーさん!!それの薬疹じゃないの!?」「やっぱりそうかなあ。。。明日皮膚科に行ってくるよ。」
結局、母は咽頭内部までかゆみが出てきたため、すぐ入院になり、現在ステロイド持続点滴を行っています。幸い治療開始も早かったため、ずいぶん赤みもひいてきました。
患者さんってそんなものなんだなあ。と改めて実感しました。
母は薬疹のため一度入院しているのです。それなのに、ドクターが「少しずつ(なら大丈夫だろう)から始めてみましょうか」の一言で、その薬疹の出て苦しんだことのある薬を躊躇せずに服用してしまうのです。
院外処方箋を出している病院ですから、保険院外薬局にて薬は受け取っています。その際にも何かやりとりはあったのでしょうか。おそらく「ドクターから少量からはじめましょう。と言われた」と患者さんに言われたら、薬剤師の立場としてそれ以上は何ともしがたかったのかもしれません。また自分自身でもそういう患者さんがみえたら、「少量なら・・」と納得して調剤すると思います。
こういった薬害を出さないために、もし出ても軽傷ですませるために、私たちは何をしたら良いのでしょうか。少なくとも警鐘を発することはできるでしょう。
テグレトールは、その吸収の個人差が大変大きい薬剤で、最高血中濃度への到達も1日以上かかる可能性もあります。定常状態になるまでには3ー4日かかるでしょう。
こういったことを踏まえて、3ー4日は薬疹の出る可能性があるため、気をつけながら服用すること。3ー4日内に、例えば旅行など日常と違うことを行う場合は、服用開始時期を医師と相談するように提案してみるのはどうでしょうか。
少しの警鐘を鳴らすこと、これがもしかすると大きな命を救うかもしれない。
薬剤師って、そういう立場の仕事をしているんだな。と改めて感じられました。
10月の半ばに日本薬剤師会学術大会が、滋賀県にて開催されました。
全国の薬剤師が一同に介するこの機会、私も見に行きましたが、いろいろな薬局の発表されることに驚いたり感心したり、あっという間の2日間となりました。
最近の私のこういった学会の楽しみといえば・・・実はポスター発表を見ることなのです。
学会の発表は大きく二つに分かれます。
一つは壇上にあがって決められた分数、自分の研究を説明する、口頭発表。もう一つは、ある決められた場所にポスターをはっておくポスター発表。
確かに口頭発表の方が壇上にあがるし、なんか恰好良いし、まとまった発表。という気がするのですが、参加者の立場からすると、ただ聞くだけ・・になってしまうのですが、ポスター発表は、実際のポスター作成者が自分のすぐ横で説明をしてくださいますので、お話を伺ったり、名刺を交換して、研究内容をあとでメールでいただく約束をしたり・・・と、1対1の濃密なコミュニケーションをとることが出きるのです。
ただし、ポスター会場は人がいっぱいですので、その前によく要旨集を読んでお目当てのポスターの場所をチェックしておくことは必要ですけれども・・・
今回、ポスター発表でこれは面白いと思ったものに近畿大学薬学部の木村准教授による「薬剤服用歴管理指導の質的向上」を目的とした発表がありました。
薬学管理というものを、薬剤師が患者の薬物治療を評価・分析するのだということをコンセプトに、評価分析するためのチェックシステムPEACSを作ったことを発表なさっておられました。
チェックシステムは9つの「薬剤師が患者に確認すべき項目」からなっており、それら9つを確認していくことで、患者が正しい薬物治療を行っているかどうか?の判断をしていきます。
例えば、Ca拮抗薬を服用中の患者さんに
自覚症状:ふらつきはあるか?頭痛はあるか?
客観データ:血圧データはどうか?
リスク因子:喫煙をしていないか?肥満はあるか?
相互作用:NSAIDsの継続使用が行われていないか?
OTC:PPA配合の風邪薬を使っていないか?
副作用:顔面紅潮や頭痛は起こしていないか?
生活習慣:食塩制限はしているか?
コンプライアンス:血圧低下によるノンコンプライアンスはおこしていないか?
理解度:飲み忘れた時の対処はわかっているか?
などなど
薬を服用して治療している際に出てくる項目を9つにわけてチェックしていくわけです。
私たちが服薬指導をする際、どうしても「自覚症状」や「副作用」、「生活習慣」だけに偏ってしまいがちです。このため毎回同じような質問を患者さんに問いかけていることも出てしまいます。しかし、この9項目をあてはめていくと、患者さんに訊ねなければいけないことが系統だてて出てきます。毎回、どの項目を聞いたかな?と考えながら指導をしていくと、確かに指導項目が尽きることはないでしょう。患者さんにとっても、薬剤師が薬剤師らしく質問をしている印象がありますので、自分の健康のための質問には喜んで返答をしてくださるでしょう。
このチェックシート方法の良いところは、患者さんの治療を評価・分析するため、患者さんにとって薬剤師のやっていることが理解されやすい。という点と、プロブレムをきちんと提案するため、薬歴が大変書きやすくなります。
このチェック項目を疾患別にチェックシートとして売り出されているそうです。興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか?