10月の半ばに日本薬剤師会学術大会が、滋賀県にて開催されました。
全国の薬剤師が一同に介するこの機会、私も見に行きましたが、いろいろな薬局の発表されることに驚いたり感心したり、あっという間の2日間となりました。
最近の私のこういった学会の楽しみといえば・・・実はポスター発表を見ることなのです。
学会の発表は大きく二つに分かれます。
一つは壇上にあがって決められた分数、自分の研究を説明する、口頭発表。もう一つは、ある決められた場所にポスターをはっておくポスター発表。
確かに口頭発表の方が壇上にあがるし、なんか恰好良いし、まとまった発表。という気がするのですが、参加者の立場からすると、ただ聞くだけ・・になってしまうのですが、ポスター発表は、実際のポスター作成者が自分のすぐ横で説明をしてくださいますので、お話を伺ったり、名刺を交換して、研究内容をあとでメールでいただく約束をしたり・・・と、1対1の濃密なコミュニケーションをとることが出きるのです。
ただし、ポスター会場は人がいっぱいですので、その前によく要旨集を読んでお目当てのポスターの場所をチェックしておくことは必要ですけれども・・・
今回、ポスター発表でこれは面白いと思ったものに近畿大学薬学部の木村准教授による「薬剤服用歴管理指導の質的向上」を目的とした発表がありました。
薬学管理というものを、薬剤師が患者の薬物治療を評価・分析するのだということをコンセプトに、評価分析するためのチェックシステムPEACSを作ったことを発表なさっておられました。
チェックシステムは9つの「薬剤師が患者に確認すべき項目」からなっており、それら9つを確認していくことで、患者が正しい薬物治療を行っているかどうか?の判断をしていきます。
例えば、Ca拮抗薬を服用中の患者さんに
自覚症状:ふらつきはあるか?頭痛はあるか?
客観データ:血圧データはどうか?
リスク因子:喫煙をしていないか?肥満はあるか?
相互作用:NSAIDsの継続使用が行われていないか?
OTC:PPA配合の風邪薬を使っていないか?
副作用:顔面紅潮や頭痛は起こしていないか?
生活習慣:食塩制限はしているか?
コンプライアンス:血圧低下によるノンコンプライアンスはおこしていないか?
理解度:飲み忘れた時の対処はわかっているか?
などなど
薬を服用して治療している際に出てくる項目を9つにわけてチェックしていくわけです。
私たちが服薬指導をする際、どうしても「自覚症状」や「副作用」、「生活習慣」だけに偏ってしまいがちです。このため毎回同じような質問を患者さんに問いかけていることも出てしまいます。しかし、この9項目をあてはめていくと、患者さんに訊ねなければいけないことが系統だてて出てきます。毎回、どの項目を聞いたかな?と考えながら指導をしていくと、確かに指導項目が尽きることはないでしょう。患者さんにとっても、薬剤師が薬剤師らしく質問をしている印象がありますので、自分の健康のための質問には喜んで返答をしてくださるでしょう。
このチェックシート方法の良いところは、患者さんの治療を評価・分析するため、患者さんにとって薬剤師のやっていることが理解されやすい。という点と、プロブレムをきちんと提案するため、薬歴が大変書きやすくなります。
このチェック項目を疾患別にチェックシートとして売り出されているそうです。興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか?